「令和5年度決算特別委員会・総会質疑」の内容を追加しました。

2024年10月7日(月)、令和5年度決算特別委員会の総会質疑に登壇して、(1)法人市民税収入から見る本市の経済状況について、(2)創業支援施策について、(3)本市による民間企業への出資について、(4)基金についての4項目に関して質疑を行ないました。

(1)法人市民税収入から見る本市の経済状況について
令和5年度の福岡市の法人市民税収入は約353.1億円。全国的にも元気がある福岡市といわれますが、実はこの税収額、直近4年間で最も金額が少ないということをご存じでしょうか?しかも、ここ4年間で納税義務者数(=法人税を支払うべき事業所)は60,378社から65,502社へと大きく増えているにもかかわらずです。つまり、「全体として企業の数は増えているけれども、その多くが利益を上げられていない」ということです。
事業者が利益を生み出せる環境づくり、もっと言えば、福岡市で昔から頑張っている既存の中小事業者に対する経済支援が必要である点を強く指摘しました。

 

(2)創業支援施策について
福岡市は、旧大名小学校跡地に設置された『フクオカ・グロース・ネクスト』という施設を創業(スタートアップ)支援の拠点として取り組んでいますが、「このスタートアップ支援がどれだけ本市の経済発展に寄与しているのか?」という点を客観的に示すことができる指標が無いことが、本市のネックでもあります。今回の質疑では、これら指標を設定して効果を測定できるような状況にすべきと要望しました。
加えて、スタートップ企業に対しては補助金・助成金といった直接的な財政支援よりも、新しい企業がヒト・モノ・カネ・情報を集めやすい環境づくりやインフラづくりに注力すべき点を訴えました。

 

(3)本市による民間企業への出資について
現在、福岡市は株式会社16社に対して総額147億円余の出資を行なっています。また、これら株式会社に役員を含めて15名の職員を派遣しており、加えて、これら株式会社のうち8社に福岡市を退職したOBが役員に就任しています。今回の質疑では、いくつかの出資対象企業を例に挙げて、これら出資の意義や出資額(割合)の妥当性、「そもそも出資者としてどのような取り組みをしてきたのか?」という点について質しましたが、納得できるような答弁はありませんでした。
単なる「天下り先」を確保するための出資と見做されることの無いよう、出資の意義や出資者としての責任について明確にする必要がある点を指摘しました。

 

(4)基金について
地方自治体は、後年度に多額の支出が見込まれる際や、臨時的に多額の収入があった際に備えて「基金」というものを保有して積み立てを行なっています。福岡市は、一般会計と特別会計を合わせて合計36基金、その残高の総額は4800億円を超える規模です。今回の質疑では、これら基金のうちいくつかを例に挙げて、基金の意義や積立額の妥当性、運用ルールの有無について確認しました。その結果、基金の中には長年金額が変わらず塩漬けになっているものや、積立や取り崩しに関するルールが明確でないものも散見されました。
今後は、恣意的な運用に陥らないように、それぞれの基金に要綱を作成して、基金の運用方針を明文化することを強く求めました。