令和7年度・条例予算特別委員会 総会質疑に登壇しました!
令和7年度・条例予算特別委員会
総会質疑に登壇しました!
2025年3発24日(月)、会派を代表して令和7年度・条例予算特別委員会(総会質疑)に登壇しました。今回は、(1)市立学校の体育館整備について、(2)路線バスの幹線・フィーダー化の推進について、(3)今後の駐車場附置義務制度の在り方について、(4)アジア美術館の警固公園地下駐車場への施設拡充について、以上4点について質疑を行ないました。
(1)市立学校の体育館整備について
①体育館への空調整備について
令和7年度から3年間の計画で、すべての市立学校体育館に空調(エアコン)がリース方式で設置されることになりました。初年度となる令和7年度は、特別支援学校10校および小学校35校程度で整備を行う予定です。空調を整備する点については、教育環境の向上や避難所環境の改善につながることが期待されています。しかし、既存の体育館は遮熱性・断熱性が備わっておらず、これらを向上させる取り組みも並行して行うことが重要です。今回の質疑では、体育館における遮熱性・断熱性の向上につながる取り組みを早急に実施するよう要望しました。
②旧基準体育館の改修計画について
学校体育館のアリーナ面積については、小学校体育館は696㎡、中学校体育館は832㎡を確保することが定められています。しかしながら、実際に小中学校の体育館を見てみると、この基準よりもアリーナ面積が狭い体育館が小学校で61校、中学校で19校もあるのが実態です。新旧の基準を比較すると旧基準の方が約200㎡も狭く、これら学校の中でも特に過大規模校と呼ばれる児童生徒が多い学校においては、学校行事や部活動などで支障をきたしている状況です。
私は8年前の議会質問でもこの問題を取り上げ、一日も早い改善を求めてきましたが、それ以降ほとんど抜本的な対策が取られていないことが今回の質疑で明らかになりました。同じ市内の学校なのに、あるいは児童生徒数が同じなのに、基準の新旧で異なる教育環境が出現しているということは大きな問題です。また、学校体育館は「災害時の避難所」として指定されていることを踏まえると、旧基準体育館のアリーナ面積では想定されている避難者を収容しきれない状況であり、地域によって環境に格差が生じていることも問題です。このような状況を放置することなく、抜本的な対策を早急に図るよう教育委員会に強く求めました。
(2)路線バスの幹線・フィーダー化の推進について
幹線・フィーダー化とは、「都心部に流入するバス路線について、鉄道駅等の乗継拠点において折り返す系統へと見直すことで、都心部の交通混雑緩和や、郊外部のバス路線の維持および定時性の確保に資する取組み」のことです。近年では、郊外部の公共交通利用者の減少や運転士不足等が課題となっており、効率的な運行で公共交通全体の維持を図るため、福岡市においてもより一層重要な取組みとなっています。
今回の質疑では、「幹線・フィーダー化の推進の進捗・成果を定期的に市民にもわかるような形で示す」とともに、「その進捗状況がわかりやすい新たな指標を設定すべき」と提案しました。そのためには、「幹線」や「乗継拠点」とは具体的にどの路線、どの場所を指すのか、それぞれ明確にすることが重要です。そうすることで、その区間の折り返し運転がどの程度増えているのか、都心部までの直通便がどれだけ減っているのか、という点が定量的にわかるようになります。この提案に対して福岡市は、「幹線フィーダー化の指標については、今後の具体的な取組みを進めていくなかで、どのようなデータが把握できるか交通事業者と検討していく」と前向きな答弁で応じました。
(3)今後の駐車場附置義務制度の在り方について
駐車場の附置義務とは、商業ビルやマンションといった「ある程度大きな駐車需要を生じさせる建築物」の建築主に対して、その新築・増築の際に駐車施設の設置を義務付ける制度です。この制度は、路上駐車の防止と道路交通の円滑化を目的として維持されています。一方で、近年は特に都心部から少し離れた近隣商業地域において「これまで店舗だったスペースが無くなって、1階部分がマンション駐車場になりつつある(=街並みの連続性が失われつつある)」という状況が問題となっています。今回の質疑では、この駐車場附置義務制度を緩和することにより、マンション駐車場の設置義務台数を減らし、ひいては1階部分にテナントが入居できるような環境づくりが進められないか?という点について議論を交わしました。
例えば、天神中心部においては「駐車場の隔地化」という政策があります。これは、天神エリアに流入する車を減らすために、商業施設がそのエリア外に隔地駐車場を確保した場合は、この駐車場の設置義務の台数を減らすことができるという制度です。この政策を応用して、近隣商業地域の目抜き通りと言われる大通りに面してマンションが建設される際、裏通りの街区に隔地先を確保するようなインセンティブを付与すれば、1階スペースを他の用途に転用しようという事業者も出てくるのではないかと思います。今回の私の提案についてもまだまだ課題は多いですが、このような観点から、副都心や近隣商業地域においても、駐車場の隔地化や台数削減を促進するような制度の研究に向けて取り組んでいきます。
(4)アジア美術館の警固公園地下駐車場への施設拡充について
予算案では、アジア美術館を現在の博多リバレインから天神の警固公園地下駐車場に拡充することを前提として検討を進めることが提案されました。今議会では、その拡充先の選定プロセスの中で、候補地の一つとして提示されていた「冷泉小学校跡地」の敷地活用案自体に疑義があるという点を問題視しました。
その疑義とは、冷泉小学校跡地について「博多遺跡の上空に構造物を作れないから全体的な土地利用は不可能」という前提のもと、当地で発見された遺跡を避ける形で敷地の一部しか活用しない案が提示されたことです。この点について、「遺跡をまたいで構造物を作ることを明確に禁じる規定は無い。美術館との一体的整備を前提とした敷地活用の可能性について、再度文化庁に確認すべきではないか?」と指摘しましたが、本市はこれを拒否しました。このような姿勢は、アジア美術館の拡充先として適地を検討する上で極めて不適当であると言わざるを得ません。
そもそも警固公園という都心部の一等地をどう活用するかは、まちづくり政策全体を所管する部局が主導して議論すべきテーマです。アジア美術館の移転・拡充先については、限られた都心部空間の有効活用と併せて、今一度立ち止まって検討を行うべきです。
以上